はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第8章 『仁さんの初体験』
梅雨の最中で、その日も雨だった。
柏葉は…駅前で
雑誌のモデルにスカウトされたりする
清純派の正統派アイドルみたいな美少女で。
国民的美少女コンテストとかに…
出ればいいじゃんって同じクラスの
女子に囲まれて柏葉は困った顔をしていたのだが。
『えっと…、柏葉…さん、だっけ?
どうしたの?帰らないの?』
雨は降って居るが、柏葉の手には傘があるから
それを差して帰ればいいのに…。
柏葉はさえない表情をして、首を横に振ると。
すっと…手に持っていたその自分の傘を
僕の方に差し出して来た。
柏葉の傘は…見た感じ…綺麗で、新品みたいなのに。
その傘の開く時に動く部分が、
接着剤でべったりと固定されていた。
『その…傘…、使えなくて…、困ってたの…』
『柏葉さん…、嫌がらせ…されてるの?』
『多分…、
3年生の…寺田先輩…かな…?
この前…告白されて…。
先輩の告白、私が断ったから…かなって。
でも…違うかも…、同じクラスの…子かも…。
自分の彼が…私の事を
可愛い可愛いって言うから、
その顔…見てたら…
ムカつくって…言われた…から』
そう言いながら、柏葉が玄関から
曇天の空を見上げる。
それにつられる様にして、柏葉の隣で
僕も同じ様にして、
その雨が落ちて来る空を見上げた。
柏葉は…駅前で
雑誌のモデルにスカウトされたりする
清純派の正統派アイドルみたいな美少女で。
国民的美少女コンテストとかに…
出ればいいじゃんって同じクラスの
女子に囲まれて柏葉は困った顔をしていたのだが。
『えっと…、柏葉…さん、だっけ?
どうしたの?帰らないの?』
雨は降って居るが、柏葉の手には傘があるから
それを差して帰ればいいのに…。
柏葉はさえない表情をして、首を横に振ると。
すっと…手に持っていたその自分の傘を
僕の方に差し出して来た。
柏葉の傘は…見た感じ…綺麗で、新品みたいなのに。
その傘の開く時に動く部分が、
接着剤でべったりと固定されていた。
『その…傘…、使えなくて…、困ってたの…』
『柏葉さん…、嫌がらせ…されてるの?』
『多分…、
3年生の…寺田先輩…かな…?
この前…告白されて…。
先輩の告白、私が断ったから…かなって。
でも…違うかも…、同じクラスの…子かも…。
自分の彼が…私の事を
可愛い可愛いって言うから、
その顔…見てたら…
ムカつくって…言われた…から』
そう言いながら、柏葉が玄関から
曇天の空を見上げる。
それにつられる様にして、柏葉の隣で
僕も同じ様にして、
その雨が落ちて来る空を見上げた。