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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。

第8章 『仁さんの初体験』

女の子らしい、白とピンクで統一された室内は。

あっちこっちにぬいぐるみが置いてあって。


女の子の部屋って感じのする

柏葉の使ってるシャンプーなのか、

それともルームスプレーなのか

柔軟剤なのかのいい香りが部屋にはしていた。


柏葉は温かい紅茶を淹れてくれて、
その紅茶を飲んでいる僕の横で。
濡れてしまった僕の制服をタオルで拭いて、
ドライヤーを使って乾かしてくれていた。

『なんか…その、御免…制服…』

『何で、茂木君が謝るの?
私が…帰れなくなっちゃってるの…
茂木君が…助けてくれたのに…ッ』

そんな感じで…、制服が乾くまで
柏葉の家にお邪魔させて貰って
乾いた制服を着て、家に帰ったら。

静がいつもの様に出迎えてくれて。

『あら、仁君、おかえりなさい。
ねぇ、仁君…もうすぐ夏休みよね?
夏休みだけ…、別の学習塾に
夏期講習受けに行かない?』

静がそう言って今通ってる学習塾じゃない
別の学習塾に夏期講習だけ受けに行かないかと
そんな風に言って来て。

『静さんが…そう言うなら、
…別に僕は、行けるなら塾はどこでも…』

特にどこに行きたいって言うよりは、
単に家から一番近いからの理由で
今の学習塾に通って居たので
僕は、そう返事を返した。

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