はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第8章 『仁さんの初体験』
『真奈美ちゃんが風邪引いたら、
困るの僕なんだし。
じゃあ、僕は…帰るから、
ちゃんと…戸締り…して、
休んでね?じゃ、また明日』
仁さんは…そう言い残して
本舗を後にして、
お家は…あったけど、
奥さんが亡くなった後に
売りに出してそのお金でこの場所から近い、
手頃な大きさのアパートに仁さんは住んでる。
仁さんが居なくなると…、
照明を落としてる本舗の中は…
真奈美一人には…随分と広い。
ソファの上に真奈美が小さくなって座って。
ズズズッとココアを啜りながら飲んで。
空になったマグカップを
キッチンのシンクに置いた。
汚れが落ちやすい様に、
空になったマグカップに
水を注いで満たした。
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