テキストサイズ

はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。

第9章 『茂木純二と真奈美』


茂木のおじさんと…、

お母さんからは純二さんの事は…

呼ぶ様にって言われてた。

私は、お母さんと二人暮らしだった。

お母さんと一緒に住んでいた、

ボロボロの築45年の

市営住宅のアパートの部屋には…、

純二おじさん以外にも…、

色んなおじさん達が来ていた。


おじさんが家に遊びに来ても、

用事があるのは

お母さんにだけで…、

おじさんが遊びに来てる間は

決まってお母さんは、真奈美は外で

遊んでいらっしゃいって言われて、

アパートの部屋から出されて

市営住宅の前にある…

小さな誰も遊んでない公園で、

一人で砂場で山を作って遊んでた。

『よぉ、真奈美。
今日も…外で遊んでんのか?』

『茂木の…おじさん…おじさんも、
遊びに来てたの?それは?お母さんに?』

『いいや、…これは…真奈美にだ』

家に遊びに来るおじさん達は、

たまにお母さんに

何かプレゼントしたりしてたけど。

私にも…偶に板パチンコの
チョコくれるおじさんとか
チュッパチャップスを
くれるおじさんも居て。

チュッパチャップスのおじさんは、
この飴を食べ終えたら
帰っておいでって言ってた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ