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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。

第12章  『真奈美と仁』


親父が死んだ後も…、

僕に親父の代りに真奈美ちゃんの

面倒を見てくれと言ったのは…

あの…、祖父ちゃんだしな。


『ったく、一体
誰の子供…なんだよ…、真奈美ちゃんは…』


それをこっちが知ろうにも、

それを知ってる親父は

死んでこの世に居ないから。

知ってるのは…、

祖父ちゃん…って事になるんだろうが。

祖父ちゃんは…

あの親父様の…父親だけあって。

あの親父様以上に…

僕にはやりにくい

厄介な相手だったりするから。

こっちが聞いた所で、

あの祖父ちゃんが、

素直に答えてくれる

相手じゃないのは僕も知ってる。


鑑定結果の紙を元の場所に戻して。

ソファに仁が腰を降ろすと、

グイっとビールを煽った。


『そう言えば…、この…2年…
ちゃんとした休みらしい休み…
全然取ってなかったな…』


本舗が軌道に乗るまではと思って、
仕事の依頼を集めるのに
駆け出しの頃は必死だったし。

真奈美ちゃんを…労えと…、
通りで部外者である
貴虎にも、言われてしまう訳だわな


…こりゃ…、言われても当然か。

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