はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第12章 『真奈美と仁』
『どうせだったら、折角だし
慰安旅行…ぽくするか…。
よし、なら。善は急げだ…』
明日はサファリパークに行って、
遊園地で閉園まで真奈美ちゃんを
思い切り遊ばせるつもりでは居たけど。
どうせだったら、
近くにある温泉にでも泊まって。
慰安旅行ぽくするのもいいな。
サファリパークに遊びに行くだけの話が、
本格的な慰安旅行計画に
なって居るとはつゆ知らず。
久しぶりの湯船を堪能させて貰って
真奈美がお風呂から上がって来ると。
仁さんがパソコンで、本舗の
臨時休業のお知らせの張り紙を作っていて。
「すいません。
仁さん…お風呂…、お借りしました…」
『あ、真奈美ちゃん…お帰り。
今さ、明日からの
臨時休業の張り紙作ってたんだよね。
この2年間さお休みらしい
お休みも取ってなかったし。
慰安旅行もした事なかったからさ。
明日はサファリパークの遊園地で遊んで、
そのまま温泉旅館泊まろうよ』
「そ、それって…、その。
じっ、仁さんと…
ふたりで慰安旅行って事ですか?」
『そうだよ?何か都合悪かった?
もう明日泊まるさ、
温泉旅館も予約もしたんだよ。
だって別に、今日だって
仁さんの家に泊ってるんだからさ。
明日、温泉旅館で
お泊りしても一緒じゃない?』