はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第12章 『真奈美と仁』
仁さんと…デート…を
一足飛びで通り越して。
イキナリ…
1泊の…旅行…だ…なんて…っと、
そんな…と思ってから…。
自分の置かれてる状況に気が付いた。
今…真奈美…、
仁さんの家…に居て…、
仁さんの家の
仁さんのベッドで…寝る…。
そう、寝る…んだ…った。
お泊りしてるじゃないですか、今ッ。
「もしかしても、もしかしなくても…、
ここだろうが、どこだろうが
別に何も、変わらないのでは?」
ここで泊ってるなら、
どこで泊っても一緒って
そう言えば仁さんも言ってましたね。
変な期待をした真奈美がバカでした…。
「今日は…真奈美は考え過ぎて、
疲れたので、さっさと寝ますッ」
ボスッと使っていいと言われた、
仁の使ってるダブルベッドに
ダイブして、真奈美が横になると。
自分の身体に巻き寿司の様に
ぐるぐると布団を巻き付ける。
冷たい…ベッド…。
シーツもお布団も冷えてて冷たいけど…。
仁さんの…匂いがする…。
「仁さんの…馬鹿…ぁ…。
仁さんは…、言う事が
イチイチ思わせぶりなんですぅ」
呼吸をする度に、お布団から
仁さんの匂いがするから…。
考えないでおこうと思っても、
勝手に仁さんを意識してしまうし、
仁さんの事を考えてしまう…。