無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

これじゃあ…まるで…、

昨日の夜は…仁さんに

抱かれて可愛がられた…

みたいな…感じの事を。

考えるつもりは無くても…、

勝手に意識してしまう。


カチャ…寝室のドアを真奈美が開くと。

香ばしいトーストが焼ける匂いと。

コーヒーの匂いがして来て。


テーブルの上には、

スクランブルエッグとサラダ。

コンソメスープに…

トーストの朝ご飯が並んでいて。

キッチンには…

コーヒーをカップに注いでいる

仁の後姿が見えていた。

こちらに気付いたのか、

背中を向けていた仁が

真奈美の方へ向き直って来る。


『ああ、おはよう真奈美ちゃん。
ベッドが変わって
寝にくかったんじゃない？
うちにはココアは無いから、
飲み物はカフェオーレでもいい？
朝ご飯…出来てるから、顔洗っておいでよ』

「お、おはよう…ございます。
あの…ッ、仁さん…独り暮らしなのに
いつも…朝から、毎日
こんな朝ご飯作ってるんですか？」


『いや…、ひとりだからさ。
サボってコーヒーだけの日もあるし、
トーストだけの朝もあるけど…さ。
だってさ、今日の
朝食は…ひとりじゃないしね…？
ほらほら、さっさと顔洗っておいでよ。
朝ご飯済ませたら、
目的地まで、しばらくドライブだしね』