はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第12章 『真奈美と仁』
普通こう言うのって…、
女の人が…自分が寝てる間に
朝ご飯を用意してくれてて。
朝ご飯用意してくれたの?
ごめんね、寝てる間に
お部屋のキッチンと冷蔵庫借りちゃって
とか…そんな感じの
やりとりをする物じゃ…と。
そんな風にも、感じなくもないけど。
朝からキチンとした朝食を
男性である仁さんに、用意されてしまって。
仁さんに促されて、洗面をして。
パジャマを着替えてテーブルにつくと。
仁さんが私用に甘い甘い
カフェオーレを淹れてくれて。
ズズズッ…とそれを啜った。
「甘い…」
『真奈美ちゃんはココアにも
お砂糖入れるから、
カフェオーレも
甘いのが好きかと思ったんだけど。
お砂糖多かった?甘すぎ?』
「いえ…美味しいです…甘くて」
甘い甘い…
お砂糖たっぷりのカフェオーレは、
ほんのちょっぴりだけ
コーヒーの苦味があって。
仁さんが…、
真奈美の好みだろうなって
想像して甘くしてくれたカフェオーレを
ちびちびと惜しみながら飲んだ。
「あの…、仁さん…
朝ご飯…お金…ッお支払い…します…」
『お金…、ああ…そう言う事ね…、
普段は本舗を間借りしてるから、
僕の家を間借りしてる…って言う感じね…。
でも…○○したら
幾らってお金貰うのもねぇ…。
じゃあ、後で…何か…
奢ってよ…真奈美ちゃん、あっちでさ』