はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第13章 『夫婦円満本舗の慰安旅行』
「その…なってあげても…良いですよ…」
『なる…って…』
「だ…だから…ッ、
仁さんの…ビリフレに…って事です」
『え?真奈美ちゃんがって…事?』
今の僕と…真奈美ちゃんの関係を…、
今風に言い表すと…
その”ビリフレ”と言う
そんな関係に当てはまる…のだろう。
僕の中でずっと…
しこりの様に凝り固まった。
萌花への…未練と言うか
…執着と言うか…を、
真奈美ちゃんと…恋人…ごっこをして
乗り越える…次に進む…
と言う物…らしい…。
曖昧な…僕と真奈美ちゃんとの
”今”のこの関係に…
今時の…言葉のはずの”ビリフレ”が
しっくり来るのも…妙な気もするが…。
どこかで…、萌花が…
甲斐性なしな僕を見て。
あの…笑顔で
笑って居る様な…そんな気がした。
「良いですね…露天風呂」
『まぁね、部屋にあったら
わざわざ貸切風呂借りなくてもいいもんね。
あの…天の川には、貸し切りの家族風呂も
幾つか、奥にあるにはあるみたいだよ』
「そうなんですね…、でも…、
天の川の…夜の星のお風呂に入り
そびれてしまいました…、
ちょっと入るの、楽しみにしてたのに」
『だったら、また来たらいいよ』