はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第16章 『元カノからの依頼』
「仁、付き合え…少し話そう」
そう言って…病室から僕を誘い出して。
入り浸りビリフレも…、
僕をあの時処置したのは、
この小町だったので。
僕を引き留める事はせずに。
小町が話したいと言ったので、
そのまま小町の後をついて行くと。
自動販売機で、缶コーヒーを2本買って。
その1本をこっちに投げてよこすと。
病院の屋上に…僕を案内して。
設置してあるベンチに僕を座らせると。
自分が隣に座る訳でもなく、
屋上のフェンスに自分の背中を預けた。
『で…、話って…どんな感じの話?』
「貴虎の奴には、
つい、3日程前に会ったんだがな。
貴虎は昔から相変わらず、
一緒に居てもお前の話ばっかりしてるぞ?
貴虎は昔からお前が好きすぎるもんな…」
『別れた後も…貴虎とは
定期的に…会ってる…って
解釈で言い訳…なの?お前達は。
お互い結婚してるのに…?ご主人は
貴虎と会う事はいいって…感じなの?』
「いや、その私の旦那の事で、
お前に相談したい事があってな。
貴虎からお前が、そんな
夫婦間の問題を解決する…
そんな仕事をしてると聞いたからな」