はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第17章 『仁さんの退院と前嶋からの依頼』
『小林さん…、僕も…。
過去を何年も引きずって…
前に進めなかった男なので…。
置かれてる立場や状況は違えど…、
何らかの形のけじめを、
お二方が…つけられるお手伝いを
させて頂きたいと…思います…』
「すいませ…ん、茂木さん…」
前嶋と小林が夫婦円満本舗を後にして。
事務所の中には真奈美と仁だけになる。
『真奈美ちゃん、どう?
その噂の…森園美海の…っと
今は…結婚してるから。
森園じゃなくて、伊藤美海か…。
男…居そうな感じ??』
「そうですね…、
週に2~3日のペースで
森園の夫である、伊藤雄介の留守に
森園の元を尋ねている
男性を確認しています」
『じゃあ…割と…今回の仕事は
楽に…終わらせられそう…だね…』
「仁さん…あの…、
そうでもないかも…です…」
森園の住んでいる家の、出入りしている
男性関係を調べていた真奈美が
何とも言えない顔をしていて。
「彼女の…子供の父親の特定は…
なかなか…難しいかも…知れません…」
『って言うのは…どう言う事…?
真奈美ちゃん、教えてよ』