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散らかってますけど…と…、
恥ずかしそうにしていたが。
小さな娘さんが居るのだから
ある程度は…仕方ないと思うし。
それでも…綺麗に片付けた
形跡は…仁の目にも見て取れていて。


『すいません、沢野さん
では、お邪魔させて頂きます』


瑞穂が仁を家に招き入れて。
奥さんとは…一緒にバースデーケーキを
手作りする話になって居るから。
キッチンへと案内される。

「今…オーブンを予熱してるんですけど…
すいません…ちょっとオーブンの
具合が悪くて…、温度が…」

キッチンの備え付けのオーブンの前で
奥さんの瑞穂がしゃがみ込んで
オーブンの様子を見ているが。
沢野さんのお家のオーブンが、
少し前から調子が悪い事は
ご主人の実さんから…聞いてるから。
僕の実情は把握済みだ。

『奥様…、ご主人の方から、
お誕生日のケーキのご希望を
伺って…おりましてですね…。
この完成図のケーキを奥様と
一緒に…用意して貰いたいんですよ…』

そう言いながらチラッと、
仁が視線を上げると。
キッチンに設置されている、
カメラの場所をチェックする。