はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第22章 『初めての彼女』
『その言い訳は…
狡くないですかね?先生』
「いいか?茂木。先生として
生徒のお前にひとつ、教えてやろう。
大人と言うのは狡いし、
女と言うものは、欲張りなんだよ。
今はそれが…茂木には分らないだろうが、
お前もあの親父さんの子供なんだしな。
もう10年もすれば…、嫌でもわかるさ。
男と言う生き物は…本能に抗えないんだよ。
自分の子孫を多く残す…、それは
もう遺伝子に刻まれるからな。
そう言った意味では、茂木。
お前の親父さんは…雄として優秀だぞ?」
煙草を咥えて、目の前の女が
ニヤニヤと厭らしく笑っていて。
僕のこのしょげた顔を、酒の肴にしている。
『それに先生だって、これが
バレたら…マズいと思いますよ?』
「ん~そうかぁ~?
確かにバレたら私の首が飛ぶなぁ~。
でもそれも…お前次第じゃないのか?
要するに…バレなかったら良いんだろう?
茂木、お前だって、出すもん出せば
ちょっとは気も…紛れるぞ?
柏葉の事だって…忘れられるだろ?
それが例え…
正攻法で…無かったとしても…な」