はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第31章 『決戦は土曜日に…第一部』
この情報量が多い空間の中で
小林に向けて真っすぐに注がれていて
その視線の主の表情は
小林を心配しているみたいだった。
「仁さん?どうかしたんですか?」
『もしかしたら…もしかして…だけど…
僕…良い事に気がついちゃったかも…?』
「いい事って、仁さん
一体何に気が付いたんですか?」
『小林くんにも、ちゃんと…
彼を単なる都合のいい
ATMとしてじゃない目で
見てくれてる人がいるって事だよ』
「……???」
真奈美がその仁の言葉に
仁の視線の先を辿ると、
友坂巴と話をしている
小さな身体のどこから
そんな声量の声が出るのか
バグみたいな声量お化けの
蛯名葵の姿があって。
蛯名葵と小林の事を交互に
見てる仁は穏やかな顔をしていて。
『よし、決めた』
「決めた?決めたって何をですか?」
『ちょっと適当な感じであの2人の
ツーショット…撮れるように頑張ってみるよ』
「え?仁さん?今は…依頼の最中ですよ?
そんな事してる場合じゃありませんって」
普通の結婚式の時みたいな
新郎新婦のプロフィールムービーが
上映され始めて。
ゲスト達は会食を楽しみながら
談笑も交えつつそのムービーを観ていた。
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