はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第31章 『決戦は土曜日に…第一部』
生田の視線の先には常に
友坂巴の姿があり、彼が
相手を気遣いながら声を
掛けている様子はこの位置…
森園美海の座っている場所から見ても
会話の内容は聞こえなくても
その表情で…感じ取るには十分な距離で。
僕は…森園の後ろに居るから
森園の顔は見えてないが…相当…
森園は…苛立ちと怒りを…
感じてる様に…感じる。
同じテーブルに座っている
男性陣に飲み物のお代わりを
取りに行かせたり、
ビュッフェの料理を取りに行かせたり。
まるで下僕に命令するように
顎先で…小林に命令をしていて。
「森園さんが食べたいもの取って来るよ」
そう言って小林が立ち上がると
ビュッフェテーブルの方へ
そのまま小林は向かって行ったんだけど。
その小林の背中に…あちら側から
小林を案じる様な視線が
向けられているのに気が付いた。
このバンケットルームの中には
スタッフを含めれば60人以上の
人間がひしめき合ってる状態だが、
向こう側から小林に真っすぐに
向けられている視線は…。
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