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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。

第31章 『決戦は土曜日に…第一部』


生田は友坂にもお祝いの
振舞い酒を飲むように勧めていて。
新郎新婦の2人も生田達の
テーブルの方に友坂にどうぞと
日本酒が入ったグラスを勧めていて。

「どうぞどうぞ、友坂さんも
ご遠慮なさらずに…1杯だけでも」

「そうです、そうです。院長の顔を
立てると思って飲んでもらったら。
余るよりなくなる方がこう言うのはいいんで」

そうこの場の主役のふたりから
言われてしまえば友坂も断れないと
思ったのかじゃあ…1杯だけ…と
言って新郎新婦が差し出すグラスを受け取った。

その出来事は…一瞬だった。

友坂巴が新郎新婦から
お礼を言いながらグラスを受け取って。
新郎新婦が自分達の席に戻って。

僕の前を…スッと…影が通り過ぎて。

真っすぐに…迷う事なく、
出窓のソファ席に座っている
友坂巴の方に…その…影が
向かって行くのが見えた。

今から動いても間に合わないと
僕は咄嗟にカメラを友坂巴に向けて
動画モードにして撮影する。



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