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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。

第31章 『決戦は土曜日に…第一部』



「(仁さん…、仁さん?仁さん?)」

真奈美ちゃんの声がインカムの
イヤホンになって居る部分から
聞こえていたはずなのに
僕の意識が目の前の出来事に
集中してて僕を呼んでいる
真奈美ちゃんの声に気が付いてなかったんだけど。

『(ごめん、真奈美ちゃん。どうしたの?)』

「(今、バンケットルーム前
伊藤雄介と共に待機中です。どうぞ)」

森園の手がテーブルの上にあった
まだ中身が入っている
別のグラスにへと伸びて。

森園の手は……、前嶋と小林に
よって掴まれてグラスに届く前に
止められてしまって。
そのまま森園の周囲をぐるっと
病院の男性スタッフ達が取り囲んで行く。

沢山の男性に周囲を包囲されて
森園の姿が見えなくなると。
式場スタッフに誘導されながら、
友坂巴は生田港斗と蛯名葵に
付き添われながらバンケットルームを
移動して出口の方へ向かって行く。

「すいまんせん、通ります…。
通りますので…通して下さい」

式場スタッフと男性ゲスト達が
双方を囲むようにして…、
友坂巴がバンケットルームから
退場するのを…フォローしていて。




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