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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。

第31章 『決戦は土曜日に…第一部』



ポタポタポタと…髪の毛から
日本酒をドレスの上に
垂らしたまま放心状態の
友坂に声を掛けていて。

「お客様、…大丈夫ですか?
もしよろしければ…
こちらのタオルをお使いください」

綺麗に洗濯されて畳んである
真っ白なフェイスタオルを数枚
重ねた状態で式場スタッフが
友坂に対して差し出していて。
友坂もその手からタオルを
お礼を言いながら受け取っていて。

「すいません、タオル
僕にも…貰えますか?」

「はい、どうぞ…。
こちらお使いください」

式場スタッフから、タオルを
隣にいた生田も受け取ると
自分の顔の辺りを拭いている
友坂の手が回っていない場所を
声を掛けながら甲斐甲斐しく綺麗な
タオルで拭いてあげていて。

僕は……事の始終を……自分の
カメラの動画モードで…
撮影していたが、…いたたまれない
気持ちになって来て…森園
そしてテーブルを挟んで向かい側に居る
友坂と…生田を撮影していたが…。

3人に対して向けていた
自分のカメラのレンズを下げた。



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