はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第32章 『旧レイン邸宅にて』
ましてや今から始まる第二部の
依頼主である伊藤雄介と
遊亀正樹の妻の遊亀美月の為でもない。
僕の私怨って程ではないけど、
個人的な趣味みたいなもので。
単に僕が…森園美海の素行調査を
してた時に浮かんで来た…
森園美海のせいで人生を
大きく狂わされてしまった
哀れな女性の“現在”を
森園美海にだけに見せつけるだけでは
僕の気分が収まらなかったから。
伊藤雄介側にも…きっちりと
その辺りの制裁を受けて貰わないとって
感じたから…な…、訳であって。
僕が…そんな思惑を持って小細工を
仕込んでいたことは伊藤自身は
知らなかったし。森園と一緒に
バンケットルームを退場する際に…
僕が…期待していた以上のセリフを
伊藤雄介はあの場で吐いて残してくれたので。
伊藤雄介も…自分と8年も付き合って
森園の若さと顔しか…後…胸か
そればっかり見てて、見えてなかった
友坂巴と言う女性の真価を…
理解して貰えたと…実感できる
セリフを言ってくれて…。
まだ…もう1仕事残っているけど
すでに満足してしまいつつあった。
「やっぱり……あのまま…アイツと…、
お前じゃなくてアイツと……
巴と…結婚してれば、こうは……
こんな事にはならなかったんだよッ!」
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