いとせめて 恋しきときは むばたまの 夜の衣を 返してぞ着る
第6章 ふたりの想い…
紅は土産物屋さんを後に…玉楼へ…
屋根を、よじ登ろうとするが…
なかなか登れず…
藍「紅…何やってんだ…?
手を貸してやろかい?」
紅「えっ…!?藍…いつの間に…」
藍は既に屋根の上に…
紅に手を差しのべて…
手助けをしてくれた…
藍「何で、黙って、
ひとりで抜け出して出掛けるんだよ…
相変わらず、どんくせぇなぁ…」
紅「えっ…それは…
って、どんくさいって…」
藍「あはは…俺にも言えない事なのか…?」
紅「えっ…違うよ…」
紅は頬を染め…俯く…
藍「まぁ…良いや…それより…紅に…
渡したい物があるんだ…」
藍は小さな桐箱を紅に渡した…
紅「あの…これって…」
藍「まぁ…開けてみろよ」
今度は藍の方が頬を染めて俯く…