いとせめて 恋しきときは むばたまの 夜の衣を 返してぞ着る
第8章 紅掛と禿
武「えっ!?何か、くれるのか!?」
薬「欲しいけど貰えませんよっ!!」
頼「薬…何か矛盾してるぞ…」
文「どうして私達に優しいんですか?」
紅掛「ふふっ…それは、
おいらも藍影も姐さん達から
優しくして貰ったからだよ…はい…
これは、おいらからの贈り物だよ」
おいらは禿達に
綿入りの衣を四人分、渡した…
武「うわぁ~…暖かそう…」
薬「頂いちゃって良いんですか?」
紅掛「良いよ…
気に入ってくれたのなら良かった…
今からの季節…
脱け出す時、冷えるからね…」
頼「えっ…脱け出す…?」
文「駆け落ちじゃなくて?」
紅掛「そうだよっ!!脱け出すなら
おいら達が寝てる間…
そんで日が暮れる前に
この玉楼に帰っておいで」