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いとせめて 恋しきときは むばたまの 夜の衣を 返してぞ着る

第10章 紅掛の想い…


今夜おいらは誰かに抱かれる…

正直…耐えられるのか…でも…
貴方様も……耐えてるんだよね…

そうだ…姐さんの真似事を
していれば良いだけの話…

おいらは今から抱かれる…
…相手からの贈り物で
鏡の前で化粧をし…髪を結い…
着物を着付け…最後に紅を塗る…


ちょうど装飾品を着飾ったと同時に
襖が開いた…

おいらは三つ指を付き…

紅掛「ようこそ…おいでくんなまし…」

と一言だけ挨拶…

心の中を悟られない様に…
立ち振舞いに気を付けなければ…

それにしても何処かで見た顔…
容姿に申し分はないけれんど…
確か…格式の高いお偉いさん…
民への期待に…その重圧に耐え兼ね…


日頃の鬱憤を晴らしに
おいらを抱きに来たのだろう

ふた回りも歳の差の旦那様…

おいらに、どれだけの大判を
くれますか?

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