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誰か僕の初めてを奪ってくれ~!!

第11章 放課後…【セメル】


 祭は、何処から出してきたのか
横笛を器用に、くるり、と回し…

 横笛を華麗に吹き出した…

 その笛の音色は慶び、悲しみ…
愛おしい…そして憎しみ…けれど後悔…
自分の過ちを懺悔しているか如く…

 色んな感情が…
交ざりあっているようにも受け止められる…

 セメルは…祭は自分とは同じ年だけど…
一体、どんな人生を歩んで来たのか…

 紛れもない…
目の前に居るのは明らかに祭だ…

 しかし、その姿は、
長い黒髪に薄紫色の衣を身に纏っていて…
今にも天にも昇る、天女のようだった…

 とても懐かしい感じ…その音色が…
身体中に染み渡っていく…

 とても、心地よい…

 そして、
パチンっ、と指を鳴らす音と共に
祭は我に返った…

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