誰か僕の初めてを奪ってくれ~!!
第11章 放課後…【セメル】
祭
「セメル…大丈夫か…?何故、泣いている?
何か悲しい事でも、あったか?」
と、心配そうに顔を覗き込む…
セメル
「…いや、何でもないよ…
ちょっと感動しただけ…」
と、涙を袖口で拭きながらセメルは答えた
祭
「そうか…こんな下手くそな笛の音で…」
セメル
「下手くそ、じゃないよ…
上手いじゃん…俺なんか…リコーダー…
えーっと縦笛しか吹けないぞっ!?」
祭
「あっはっはっ…別に横笛なんて
吹けなくても…生きて行けるだろう…
それに…アイツの方が俺より上手い…」
と、懐かしむように…空を仰いだ…
セメルは、昨日からの…
アイツ…という言葉が気になっていた…
セメル
「なぁ…まつり…アイツって誰の事だよ?」