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妖艶な麗人

第1章 妖艶な麗人…

 ①

「あんたってさぁ…」

 変態さんでしょう?…

「えっ?」

「変態女でしょう?…」

 その彼女、いや、彼が突然、そう言ってきたのだ…

 ここはニューハーフクラブー…

 久しぶりに再会した唯一の親友と三軒目に選んで来店していた。


「こんばんわぁ、いらっしゃいませぇ…
 私はユリですぅ、よろしくぅ…」

「え…」

「あら、やだぁ、ねぇこの子も悠里って言うのよぉ」
 ほろ酔いの親友であるマリがテンション高めに、席に着いたニューハーフである妖艶な麗人に言ってきた。

「あらぁ、そうなのぉ、よろしくぅ…」

「あ、はい…」

 実は、わたしは、初めて入ったこのニューハーフバクラブに緊張していたのだ…

 なぜなら…

 この席に着いた『ユリ』さんにしろ、親友のマリの隣に座ったミズキという彼女?、彼にしろ…
 もの凄く美しいからであったから。

 確かに周りを見渡すと、まるで男性がお化粧をしたお笑い芸人みたいなニューハーフも何人かいるのだが…
 このわたしの席に座った二人はとにかく美人さんなのである。

 しかも、声も女性そのものであり、ややハスキーなわたしの声の方がニューハーフっぽく聞こえてしまうレベルであった…

 そしてそれは妖艶な美しさであり…

 まるで、宝塚の様な華やかさもあったのだ。



「あらぁ、悠里さんてぇ…」

「え…」

 すると、そのユリさんは座るなり、わたしをジッと見つめて…

「あんたってさぁ…

 変態さんでしょう?…

 変態女でしょう?…」
 
 と、言ってきた…



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