テキストサイズ

冴ゆる月(Winter moon)

第8章 いい女2 惜別…

 ⑥

 1週間後…

「ねぇ、ちょうどタイミング良くクルマ壊れたんだってねぇ…」

「あ、うん…」

 例の男を紹介してくれるというバーで、親友の彼女と一緒に待ち合わせをしていた。

「いいじゃん、とりあえずはクルマという正当な理由もできた訳だしぃ…
 それにあのスパイダーちゃんも気を利かせたのかもよぉ…」

「う、うん…」

 でも、クルマの、いや、スパイダーの件はそうなのかもしれない…
 もしかしたら、何かの不思議な力の導きにも感じられてもいた。
 
「あ、来たわよ」
 すると、一人の男性が入ってきた。

「は、初めまして…」

 親友の彼女によると…

 年齢は36歳…一つ年下。

 大学までバスケットをしていたスポーツマン…
 だが、身長は170㎝台らしく馬鹿デカくは無い。

 個人店ながら、外車ディーラーを親から譲り受けて経営しているそうである。

 そして…

 バツイチ、子供無し…

「3年前に、妻に先立たれてしまって…」
 ようやく最近、心の整理がついた…
 の、だそうだ。
 
「こっちは7年も経つのに、まだまだなんですよぉ…」

「え、あ、ちょっとぉ…」

 どうやら既にわたしの話しは通してあって…
 ネタにされてしまう。

「なかなかそんな簡単には整理できませんよねぇ」
 すると、その男は優しい笑みを浮かべながら、そう言ってくる。

 おや…

 さすが、唯一無二の親友だ…
 ちゃんとわたしの好みのタイプを押さてきた。

 そう…

 優しく、穏やかな笑顔の男…

 さっぱり系のスポーツマン…

 キレイな歯並び…

 この三つは絶対に妥協しない。

 まずは、見た目と入りは合格であった…

「え…と、アルファロメオスパイダーに乗っているそうでぇ…」

「は、はい…」

「しかも…赤…」

「は、はい…」

 するとその男は、わたしを上から下まで一瞬にして一瞥し…

「うーん、なるほどなぁ…」
 と、呟いてきたのだ。

「え…」

 なんだ、なるほどって?…




 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ