冴ゆる月(Winter moon)
第8章 いい女2 惜別…
⑨
3年前…
彼の奥様は…
血液のガンと云われる『急性白血病』を突然発症し、あっという間に亡くなってしまったそうだ…
しかも…
亡くなってから分かったそうなのだが、妊娠もしていたそうである…
「妻は…アイツは…」
キッチンカーで移動カフェのお店を出すのが夢で…
白血病発症の直前までオープン準備に勤しんでいたんですよ…
「ほら、自分は外車ディーラーしているから…
他のキッチンカーと差別しようって、特注でわざわざフランスのメーカーに直接オーダーして…
『シトロエンのHバン』をキッチンカー仕様に改造して輸入したんです…」
「えっ『シトロエンのHバン』って?」
「はい、知ってるんですか?」
「あ、うん…」
知っている…
いや、知っているもナニも…
なんていうことだろうか?…
『そうだよなぁ…
将来子供ができたらさぁ…
シトロエンのHバンがいいや…
そのクルマはさぁ…
フランス車のシトロエンの…
まあ簡単にいうとさぁ、ワンボックスカーだよ…
うん、そして少しキャンピングカー仕様に改造してさぁ…
子供と一緒にあっちこっちさぁ…』
生前の彼がそう云っていた…
『シトロエンのHバン』
それが…
それが繫がった…
「そして、ようやく半年前に、そのキッチンカーの『シトロエンHバン』を処分して…」
いや、処分できて…
ようやく妻の面影から卒業できて…
ううん、惜別できた…かなぁ…
彼は、そう云ってきたのだ。
「妻の面影からの卒業と惜別ですよ…」
「卒業と惜別…」
「だから、スパイダーも…」
わたしはこの不思議なクルマとの繋がりに…
彼、あの人からの…
不思議な力によるメッセージなのかもしれない…
そう感じていた…
3年前…
彼の奥様は…
血液のガンと云われる『急性白血病』を突然発症し、あっという間に亡くなってしまったそうだ…
しかも…
亡くなってから分かったそうなのだが、妊娠もしていたそうである…
「妻は…アイツは…」
キッチンカーで移動カフェのお店を出すのが夢で…
白血病発症の直前までオープン準備に勤しんでいたんですよ…
「ほら、自分は外車ディーラーしているから…
他のキッチンカーと差別しようって、特注でわざわざフランスのメーカーに直接オーダーして…
『シトロエンのHバン』をキッチンカー仕様に改造して輸入したんです…」
「えっ『シトロエンのHバン』って?」
「はい、知ってるんですか?」
「あ、うん…」
知っている…
いや、知っているもナニも…
なんていうことだろうか?…
『そうだよなぁ…
将来子供ができたらさぁ…
シトロエンのHバンがいいや…
そのクルマはさぁ…
フランス車のシトロエンの…
まあ簡単にいうとさぁ、ワンボックスカーだよ…
うん、そして少しキャンピングカー仕様に改造してさぁ…
子供と一緒にあっちこっちさぁ…』
生前の彼がそう云っていた…
『シトロエンのHバン』
それが…
それが繫がった…
「そして、ようやく半年前に、そのキッチンカーの『シトロエンHバン』を処分して…」
いや、処分できて…
ようやく妻の面影から卒業できて…
ううん、惜別できた…かなぁ…
彼は、そう云ってきたのだ。
「妻の面影からの卒業と惜別ですよ…」
「卒業と惜別…」
「だから、スパイダーも…」
わたしはこの不思議なクルマとの繋がりに…
彼、あの人からの…
不思議な力によるメッセージなのかもしれない…
そう感じていた…