もう奴隷のように犯されるのはイヤ…
第8章 【名医だと紹介された男に好き勝手されて…】
グイと肩を抱かれ耳元で囁かれる。
「俺に話せないこと?何でも聞くよ、仕事身に入ってないもん、何か心配事でもあるんだろ?言ってみ」
下半身は本当にクズだが、こういった配慮というか気遣いは誰よりも上手い。
相手から引き出させるごく自然なやり取りにまんまと引っ掛かるのだ。
本当は誰かに吐き出したかった。
一応、店のママには事情は伝えてある。
いつお休み頂くかわからないし。
お酒の席とはいえ、簡単に懐に入って来る郷田。
席には私と郷田だけ。
泣かないように必死に取り繕いながら、ポツリポツリと事情を話してしまう。
「良い医者を紹介するよ、その手の手術は専門医でスキルは確かだよ、俺の母ちゃんも世話になった、今はピンピンしてるぞ」
その言葉に縋り付くには早過ぎたかも知れない。
しかし藁にも縋る思いだった。
母を治してくれるなら。
お金も心配するなと言われて泣きそうになる。
「いつ会う?手術するなら早めの方が良いよな、連絡取って向こうのスケジュールも聞いてみるよ」
「宜しくお願いします」
名前も教えてもらって自分でも調べてみた。
郷田の言う通り、その分野では認定医や指導医の資格をいくつも持つ優れた医者であった。
腕が確かなら、多少高くなっても病院を変えてこっちで治療してもらえたら。
そうすれば私もすぐ駆け付けれるし安心だ。
元気になって退院すれば帰ればいいだけの事だし。
郷田は仕事も早かった。
翌々日にはその名医に会う事が出来た。
スタッフ紹介のトップに載っていたから顔も写真のままで安心する。
出来る限りの母のカルテを見せて説明すると
「大丈夫、私なら完治まで持っていけるよ」と仰って頂けた。
その時はやはり泣いてしまい2人を困らせたが、完全に信じ切ってしまっていたのだ。
白髪頭に茶色いジャケット、中は白い柄シャツ、ノーネクタイ、オフホワイトのスラックス姿で終始ニコニコしていた名医。
「大丈夫大丈夫」と肩を擦られ、
郷田には「場所変えようか」と提案されついて行くとそこはシティーホテルだった。
どうやら名医の泊まっているホテルらしく、ラウンジで強いアルコールを飲まされた挙げ句、気が付いたらホテルの部屋でベットに両手を括り付けられていた。
「物わかり良いからわかるよね?こんなの全部、先払いだよ〜」
え…誰?さっきの名医?