12歳年下の彼に溺愛される話
第5章 芸術の秋…とかしてみたり
港斗君が興味あると言って、
観に来たはずなのに…、
こっちが…圧倒されてしまって。
かなり気分を高揚させてしまって居て。
「お花、お花が凄かったね…ッ。
自分が小人になったみたいだった…」
『そうですね、あそこの展示、
巴さん気に入ってたみたいですもんね。
何か、後期の展示にも、自分の
スマートフォンに作品を移して
持って帰れるのがあるらしいですよ?』
お寺とか池でイベントしたりして、
斬新な事する所だとは思ってたけど。
その発想は無かったと言うか…。
「展示してる作品を
お持ち帰り…できるの?」
『らしいです…、興味ありますか?』
港斗が後期の展示の説明をしてる
ページをスクロールして見せてくれて。
「蝶々…綺麗だな…、
蝶々のやつ、見たいかも…」
『じゃあ、後期の展示も
一緒に、…観に来ましょうか』
そんな相談をして…、
しばらくベンチで休憩してから。
常設展示の見学をして、
美術館を後にした。
そうだ…この後…ラブホテルに
泊まろうって話をしてたけど…。
まだ…ラブホテルには…早い気がする。
お城の横の公園の駐車場から、
車で20分と少々…移動して。
時間としては…、
まだ…17時前…なのだが。
着いたのは…、県内の中心地からは
少し東に外れた、住宅街のエリアで。
ベノアと言う名前の
ラブホテルの様だった。
「ねぇ、港斗君…
ここって…ラブホテル…だよね」
『ええ、そうですよ、巴さん』
こっちが前延長になるのではと
心配してるのが顔に出ていたのか。
ホテルの駐車場に車を駐めた港斗が。
私の方を見て、にっこりと笑顔になって。
『大丈夫ですよ、巴さん。
観光利用のプランで予約したので
土曜日ですけど普通に利用するより、
リーズナブルで宿泊できるんですよ。
予約してあるので、部屋も決まってます。
チェックインなら、15時からですから』
この時間からでも、
大丈夫と言われてしまって。
泊まる為の荷物はボストンバックに
手荷物とは別に用意していたので。
そのボストンバックを港斗君が
トランクから出してくれて。
そのまま、運んでくれるみたい…。