12歳年下の彼に溺愛される話
第6章 11月の出来事
『そんな遠慮しなくて、
良いですって。気にしないで下さい。
僕と、巴さんとの仲じゃないですか、
大丈夫ですよ、心配しなくても』
「いや…でも…、インフル…」
『じゃあ、僕そろそろ
仕事に戻る時間なんで、また後で』
ツー、ツー、ツー…っと
通話を切られてしまって。
お見舞いに来て貰うのは、
遠慮して貰いたいと言いたかったが。
今、折り返しても、電話には
彼は仕事に戻ると言っていたし。
応じてはくれないだろうから。
こちらから電話を改めて掛けるのは、
お昼休みの時間にする事にして。
丁度…、薬の準備が
出来たと言われたので。
車の中に乗ったままで、薬剤師の人に
イナビルと言う名前の吸入の
インフルエンザの薬が処方されているので。
使った事がありますかと聞かれて、
初めてですと答えると、
イナビルの容器には2回分の
お薬が入って居て、
トレーを移動させて1と2の
お薬を鼻から吸入するのだそうで。
2つ…吸入しなとダメな様で、
合計4回の吸入をするのだけど。
リレンザみたいに、1日2回
5日間吸入しないといけない事もなくて。
この、4回の吸入だけで良いのだそうだ。
帰りにスポーツドリンクを買って。
適当その時は、食欲もあったから。
適当に…食べたいなって思うものとか。
熱が出ても大丈夫な様に、
レトルトのお粥とかを買ったりして。
巴は自分のアパートに戻った。
戻ってイナビルの添付文章の
吸入の方法が、写真付きで
説明してある説明書を見ながら。
帰ったらすぐに吸入して下さいと。
薬剤師の人に言われたので。
イナビルの吸入薬、2回分×2個の
合計4吸入を済ませて。
吸入した、空の容器を
巴は、部屋のゴミ箱に捨てた。