12歳年下の彼に溺愛される話
第6章 11月の出来事
次に…巴が…目を醒まして。
ぼんやりとしながら…、
視界に映る天井を眺めると。
なにやら…違和感を…感じた。
あれ?…おかしいな
何か…が、違和感を感じる。
そうだ…天井、
見える景色に違和感がある。
自分の寝室で寝ていたはずなのに…、
自分の身体は…リビングにある。
港斗君が泊まりに来た時に、
一緒に寝ている…あの…、
脚付きのマットレスの上にあって。
私は…リビングの天井を
眺めていてのだが。
それも…いつの間にか、
脚付きのマットレスには…
あったか素材の…
マイクロファイバーのボックスシーツが
キチンと掛けられて居て。
私の身体は…その…、
この前までそんな物は無かったはずなのに。
秋冬仕様になった、そのマットレスの中央に
綺麗に…寝かされていて。
周囲から…あのビーズクッションの
猫ちゃん×5匹に見守られていた。
『あ、巴さん…目が醒めましたか?
良く寝てたみたいなので、
声掛けなかったんですけど…』
「これも…
全部…港斗君がしたんでしょっ
って!港斗君???なッ、何でッ
港斗君ッ、…マスクして無いのッ
インフルエンザだって、私言ったのに」
『ああ、それですか?
インフルエンザだって事は、
ちゃんと前もって巴さんに聞いてたので、
備えあれば患いなしですよ?
ちゃんと、僕は対策済みですからね』
誰がどう見ても彼は…ノーガードにしか、
私の目には見えないのだけども。
「それって…、もしかして…。
風邪は…、誰かに
うつしたら治るとかって…
そんな事を言うつもり…じゃ…」
そんななんの根拠もない話を
持ち出して来るつもりなのかと。
巴が…自分の身体に掛けられていた
綿入りの毛布で口元を覆いながら。
キッチンで、何かを作っていた
港斗に対して巴がそう尋る。