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12歳年下の彼に溺愛される話

第4章 巴の引っ越し


一番びっくりしていたのは妹の千冬で。

『えええっ!引っ越し手伝ってくれる
お姉ちゃんの友達って、
生田クンの事だったの?』

『いえ…僕は…、友達じゃなくて。
巴さんとは、お付き合いを
させて貰って居ますので。
あ、巴さんのご両親ですか、
すいません、初めまして』

そう言いながら、港斗が
うちの親に対して頭を下げていて。

『申し遅れました。
僕は…生田 港斗と言いまして。
巴さんとはいいお付き合いをさせて
頂いております。将来的には…、
巴さんと…同棲をさせて頂きまして。
結婚の方を…と考えているのですが…。
僕の方から、そう申し出ました所
まだ…同棲は早すぎると…
彼女の方に、言われてしまいまして』

どう言う事と言う顔をした、
うちの両親が、説明して欲しそうに
こちらに助けを求めて来てたのだが。

『あ、これ…どうぞ…。
つまらない物ですが。
お父様の…お好みがわからず…。
日本酒と…焼酎と迷ったのですが…
無難な所で…ビールにしました』

そう言って…ケースの
アサヒスーパードライと。

母にはこちらをと言って、
駅前にある…洋菓子店の
ホールのシフォンケーキを
手土産として持参していて。

『あらぁ…、私、ここの…
シフォンケーキ好きなの…ありがとう』

お父さんは…すっかり…
何時も飲んでる発泡酒じゃなくて
ビールのケース入りにご機嫌だし。

お母さんもお母さんで、
手土産のシフォンケーキは…
地元では有名な…お店のだから…。

しっかりと…その手に
手土産を…抱えてしまっているのだが。

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