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ビッケとビッチ

第1章 11月18日土曜日午前10時50分

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「じゃあさぁ、明日の日曜日の夜にまた会える?」
 わたしは和哉くんとカフェでブランチを食べながら訊いた。

「え、は、はい、に、日曜日にも会えるんですかっ」
 和哉くんは本当に嬉しそうに応えてくる。

「うん、会いたいな」

 本当は…

 ヤリたいなだけど…


「は、はい、もちろんす」

「でも彼女とかの予定は無いの?」

「え、今、彼女なんていないっす」

「そうなのぉ」

「は、はい、夏にフラれたんす」

「あら…」

「それに、悠里さんの誘いならば、何があっても最優先しますから」

「あら、それは嬉しいわ…」

「は、はい、飛んで行きますからっ」

「じゃあさぁ…」

 わたしは和哉くんの目を見つめ…

「これからわたしが誘ったら…

 絶対ね…」
 わたしはそう囁く。


「あ、は、はい」

「いいの、絶対よ、約束できるの?」

「あ、はい、できます」

「いつ誘うかわからないわよ」

 特に雨の日…

「は、はい、だ、大丈夫っす、あ、でも…」

「あ、うん、もちろん仕事は優先の上よ」
 そう、もちろん、それは常識だ。

「は、はい、だったら絶対に守りますから」

「あ、あともうひとつ…」

「え?」







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