恋人がサンタクロース🎅
第1章 恋人がサンタクロース
そして俺は夢中になって23、24日の土日に休日返上で仕事をし、無事に納期のメドもクリアできて…
「ふうぅ…」
なんとか午後7時過ぎに、最寄り駅のコンビニで缶ビールとのり弁を買って自宅マンションに辿り着く…
さすがにチキンとケーキは買う勇気が無かった。
エレベーターを降り、エントランスの角を曲がると…
「あっ…」
俺の部屋の前に…
サンタクロースが立っていた。
いや、正確には…
ミニスカサンタのコスプレを着た…
アイツが立っていたのだ。
「あぁ、ビッツくんおかえりぃ…」
そのミニスカサンタは満面に笑みを浮かべ、そんな嬉しそうな声を上げてきた。
「あ、な、なんで…」
「だってぇ、お仕事っていってたじゃん」
確かに、数日前、LINEでそう返事を返したのだが…
そう、ヤツとはあれからたまにLINEを交わしていたんだ…
「だからぁ、この位の時間かなぁ?ってさぁ」
そのミニスカサンタはそう言ってくる。
赤いサンタ然としたモコモコのコスチューム…
そしてミニスカと白いブーツ…
すごく可愛く見えてしまった。
「あっ、今ぁ、かわいいってぇ、思ったでしょう?」
「お、思ってねぇよ…」
「もう、ビッツくん相変わらず素直じゃないんだからぁ…」
そう…
コイツはいつも、こんな俺の心の隙間に入ってくるんだ…