素敵な飼い主様
第7章 戻れない
固まったあたしに、「はぁ~」と深いため息をはく神矢。
そのまま立ち上がろうとするから、あたしは咄嗟に神矢の手を握った。
「・・・離せ」
「嫌よ・・・!どうして抱くことを断っただけでそんなに怒らないといけないの?!」
「・・なに?」
「どうせ、体目当てであたしを飼ったんでしょ?!なら、他の女も飼えばいいじゃない!!馬鹿!!」
言いたくないのに、神矢の冷たい瞳を見ていると、止まらなくなる。
涙までポロポロとでてきて、きっとあたしの顔はひどい。
そんなあたしを、神矢は少し目を見開いている。
「怒るならあたしじゃなくて、きょ、教育リストに怒りなさいよ?!仕方ないじゃない!北条さんが、あまりに疲れた顔するから・・・っ」
「っ黙れ!!」
その言葉を言った瞬間、思いっきり神矢はあたしの手を振りほどいた。