素敵な飼い主様
第9章 おかえりand罰?!
とりあえず無視を決め込むことにした。
「相変わらず無視が好きだな、お前。忘れたのか?ご主人様の命令は絶対だって・・・」
けれど、意地悪気に笑った神矢は、あたしの目の前に来ると、足の間に膝をつき、あたしの両手を片手で意図も簡単に束ねた。
そのまま、表情を変えずに顔を近づけてくる。
「俺の名前を呼ぶほど、恋しかったのか?」
くっく、と喉を鳴らしながら笑う彼の表情を見て、あぁ・・・とうな垂れる。
どれだけ離れていたとしても、彼に逆らうことはできないのだ。
「神矢・・・ごめんなさい。勝手に怒って、出て行っちゃって・・・」
拘束されたまま、顔を彼の胸にあてると、神矢は戸惑ったように体をびくつかせた。
けれどすぐに、あたしの背中に彼の腕がくる。