素敵な飼い主様
第2章 飼い主様の本性
「来たぞ」
あたしは、目が点になった。
いや、あれなはずがない。
後ろにある軽トラじゃないのか?
コイツに軽トラ。ぴったりじゃない。
絶対、違う。
「神矢ぼっちゃん、素敵なお嬢さんですね。さぁ、そんなお嬢様を立ちっぱなしにはさせられません。お早くお乗りください」
「相変わらず上手いことを言うな、川城」
「いえいえ、本当のことですよ」
あたし達の目の前に止まっているのは、大きな黒塗りのリムジンだった。
後ろの軽トラに乗っている人が迷惑そうに、けれど物珍しそうにこっちを見ている。
あたしは、もうそれ以上にびっくりしていた。