素敵な飼い主様
第4章 ダンスパーティー
すっと目の前に差し出された左手。
あたしは、もう一度首輪に触れた。
”絶対にはずすな”
神矢の声が何度もリピートされる。
そして、彼の左手の薬指に光るダイヤの指輪を見て、あたしは決心した。
「・・・いいえ。彼は、あなたが言っているような方ではありません。確かに、淫らな性格ですが。こんなあたしを飼ってくれました」
「飼ってくれた・・・?」
ふと、椎名様があたしの首輪を見ると、サァッと顔を青ざめた。
「な、なんていうことだ!紫苑、君はペットなんかじゃないんだよ?!」
ぐっとまた肩を掴まれる。
痛いくらいに。