VOICE
第15章 紳士服店
【琥珀】
僕は、これ以上、見たくないッ!!
傷付きたくないから…尾行はやめた…
大学に行く気分にもなれず…
黒曜くんのマンションにも帰る気分にも
なれなかった…
僕は放心状態…フラフラと歩いていると…
琥珀「…ッ!!あいでッ!!…す、すみませんッ
…前を見てなくて…ッ」
誰かに、ぶつかり…
湊「痛ッ!!…あれ?琥珀さんッ?」
琥珀「…えッ!?…湊くんッ!?」
湊「琥珀さん…忙しい人ですねぇ…
もう尾行は諦めたんですか?」
琥珀「もう…尾行は良いんだ…ところで…
湊くん…帰るんじゃなかったの?」
湊「そうなんですけど…気が変わって…
紳士服の店で…ネクタイとベルトと
チェーンを買おうかと思って…」
琥珀「えっ!?何に使うの!?」