シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない
第10章 エピローグ
1週間後
ジョージタウンでは大司教様の式典が開かれていた
赤いカーペットの上に歩み出る代表者
クレリアとザックが大司教の前までゆっくり歩いていく
左右には大勢の関係者たちが列を作って、式典を祝っていた
ふたりは大司教の前まで歩み寄ると、同時に片膝をついた
「クレリア、よく邪悪な輩を前にし民衆を救ってくれました
あなたが教会本部の許可もとらずに司祭を行ったことはここでは不問にします
きっとこの廃墟の街ではこうするしかなかったのでしょう
そのおかげで民衆はよりどころとしてあなたと神を信じたのです
よくやりましたね」
クレリアは頭を下げた
「ザック・ネイラー君
君はクレリアを助け、幼き少女を救い、この街を守ってくれました
あなたのおかげでまたひとつ邪悪な存在を打ち消すことが出来ました
これは我々教会本部でもなかなか出来なかった事です
闇の勢力はこの宇宙空間にまで広がってしまっている
君はクレリアとともに多くの人々を救う道を示してくれました
感謝します」
ザックも頭を下げた
「さあ、立ち上がって、皆の方へ!」
ザックとクレリアはゆっくり立ち上がって、式典に集まった多くの人々に見守られた
「クレリアさん!良かったです!
ここまで頑張ってきた甲斐がありました!
……ザック、なんでキミがクレリアさんの隣に立っているんだ!!本当はそこはボクが立つべき場所なんだぞ!!」
フィリップは最前列でクレリアを祝福しながら、ザックに悪態をついた
その隣のエイミーも不満げだ
「なんか、結婚式みたいでいやだわ!!
なんでわたしが参列者のほうなのよ!!」
後列に居たマットとスージーがなだめている
皆から拍手と、紙吹雪が贈られる
クレリアも笑顔だ
「なんか凄いことになっちゃったわね!」
ザックも不釣り合いな儀式に緊張を隠せない
「お、おう?なんで俺がここにたってるんだ?」
「ザック、あんたがわたしを助けてくれたからじゃない?」
「それだけで?」
「なによ、不満そうね、まだ何か足らないの?」
「俺には似つかわしくねえよ!」
「そんなことないさ、ほら、こっち向いて」