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シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない

第10章 エピローグ



ザックが隣のクレリアの方へ向き直ると、

クレリアはザックの首に腕を伸ばして強引に引き寄せた


重ねる唇


驚くザック



もっと驚いたのは最前列で眼の前で見ていたフィリップとエイミーだ


驚きのあまり、声も出ない


他の参列者たちはさらに拍手喝采だ


ザックが唇を離す

「なにやってんだよ!」

「なんだか物足りない顔してたからさ?

 助けてくれて、ありがとう、ザック」



そのとき、参列者の最後尾から大きな声が聞こえてきた!

「ザァーーーーッッックゥーーーッ!!!!!」



皆が中央を空けると、ひとりの少女が入院着のまま全力疾走で走ってきた


「ケイト!!!」


ケイトは最前列まで一気に走り抜けると、そのままの勢いでザックに飛びついた


「ザック!逢いたかったわ」


「ケイト、1週間よく頑張ったな、
 どれ、もっとよく顔を見せてくれよ?」


ザックがケイトの乱れた前髪を分けてやる



そこにはケイトの元のアザがすべて消え去っていた


ケイトは満面の笑みでザックの首にしがみついた


「ありがとう、ザック!」


「俺は何もしてねぇさ? お前を治してくれたのはお医者さんだ、スージーだ」


スージーも涙ぐんでいた



あの時、現場から回収されたサメのナノスキンの残骸


そしてブリガドーンからもたらされた抗ナノスキン酵素

これらをケイトの皮膚に移植して、どこの外科手術でも治せなかったケイトのアザを、細胞レベルにまで中和させ取り除いたのだった


ザック、クレリア、ケイトたちに周りのみんなも集まってきた

たまらずエイミーもザックに抱きつく

ザックはエイミーとケイトをひとまとめに抱き締めて、一緒にみんなから祝福を受けるのだった……



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