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シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない

第3章 セカンド・アタック!



「かなり離れてしまったな」


ザックは小隊から単独で距離をとっている事を心配した
前方には大きな物体が確認できるが、ちょうど太陽の陰になっていて視認しにくい


「こんな遠いところまでシャトルの残骸が漂流していたのか」


何かの翼の破片


今回のシャトル事故の物かどうか不明だが回収しておかなければならない
 この破片が原因で大きな事故に繋がってしまうかもしれないのだ


シャトルか何かの翼部分は近付くにつれて思ってたよりも巨大なものだった


モビルスーツよりも大きい


直接接触してしまうと自機のほうが飛ばされてしまいそうだ


ザックは慎重になり、周囲の大きさを確認するべく翼の残骸を周回しようとした
その時



「……!?」


残骸の裏側に見えたのは“何か別の物体”だ


何かが裏側に隠れていた!


とうやらザックのジムIIIは物体の背後に位置していたらしく幸運にも近付いた事に気付かれていなかった


しかし


ザックは思わず息を呑む


「ま、まさか」



ザックの眼の前に居る物体は


どう見ても「魚の尻尾」のように見えたのだ


それも“サメ”のような……



ザックは自分の心臓の音があまりに大きく聞こえてくるので胸から飛び出してしまうのではないか、と不安になる


これまでの敵との戦闘よりも身の毛がよだつ


まだ敵のモビルスーツのほうが素性が知れているぶん判断がつきやすいだろう


しかし、今のザックはこの状況をどうしたらいいのか混乱してしまった


それでもさすがに現役のパイロットだ
自然と手元の端末を操作してビデオ撮影と現在の位置のバックアップを録るよう指が動く


ダニエル・ワトキンスの言っていた事は本当だったのだ!


ザックは深い深呼吸をして、これから起こるであろう予測をたて、気持ちを鎮めていった…



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