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シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない

第4章 男装の麗人クレリア


ジョージタウンのレストランで食事を楽しんだザックたちだが、スージーの呼び出し連絡で幕を閉じることとなった

昏睡状態であった娘ケイトが目醒めたという

会話の様子を伺いながらザックは“そうか、あの子目が覚めたのか…”とカプセル越しに見たケイトの顔を思い出していた


シモンズとフィリップに別れを告げ、もと来た外壁エレベーターへ向かう


だが街の様子が少しおかしい


あまりに人が多いのだ
群衆が通路に溢れている

「ここってこんなに人が居たのか?」

「ザック、キョロキョロするな、はぐれるぞ」

人混みを掻き分けながらコロニーの外壁エレベーターの搭乗口へ進むが、そちらの方向に進むほど混雑が酷くなっていく


ちょっと殺気立っていて恐怖を感じる

軍人のザックとマットだけなら冷静に対処てきるだろうがスージーに何かあってはいけないと気を引き締めた


やがていつもの何倍もの時間を掛けて短距離であるはずの搭乗口まで辿り着いたものの、そこは集会の中心でもあった


「マット、なんだかヤバそうだよ」

「わたしも怖いわ」

「そうだな、巻き込まれないうちに退散したいのはヤマヤマだがどうやらエレベーターは止められているみたいだぜ?」

「何かのデモ活動なのかしら?コロニー公社が止めたの?」


「そうかもしれないな、破壊されたらたまんねぇからな、ん? ザックはどこいった?」


「え? あら、さっきまで後ろに居てくれたのに!! ザック!?」


「ザック!!! ザーーーーック!!」


ザックは群衆に取り囲まれ、彼らとはぐれてしまった


「マット!スージー!まいったな…」


ザックの周りは年寄りが何人も居たため、強引に引き剥がすことも出来なかった


そのときザックは遠くからの視線を感じた


“誰かに見られてる?マット?いや、違う
 なんだろう、この背筋が凍るような眼差し”


ザックはまわりを見通すが群衆に囲まれて身動きがとれない


だが、強烈に視線を感じるのだ


それは鷹に狙われたネズミのような気分だった…!




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