テキストサイズ

シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない

第5章 ケイト・アウェイキング


ケイト・ワトキンスは長い夢を見ていた



ひとつの物語りが終わると、次の物語りが始まったり


ひとつの物語りから話しが進むにつれ、少しづつ話題が変わっていくものだったり…




さっきまで魔法使いに捕らえられていたかと思えば、それを救い出す勇者が自分だったり


教室で先生役だったのに、いつのまにか生徒役になっていたり



話しは支離滅裂で、なんの関連性もなかった



たいていは日常の延長線だったり、過去の記憶の再現だったりするが

たまに刺激的な出来事に遭遇する


ギャングに追いかけられているところを救ってくれたニューヨークのタクシードライバー


まだ若い男性のドライバーはなんのゆかりもない自分を一生懸命守ってくれた



また、ときにはジャングルの中をさまよっているところを原住民の若い男性が道案内してくれ、街のはずれまで付き添ってくれた



それらの若い男性はみな同じ顔の男だ


話した記憶はないし、名前も知らない


自分より少しだけ歳上だけど、まだあどけなさが残っているようにも思える



いつも助けてくれるあの人



どうして、いつもわたしを助けてくれるのだろう



物腰がやわらかく、常に冷静で

慌てる様子もなく、ピンチを乗り切っていく


どこかで会ったことあったのかしら?



夢の国の王子さま、とまでは言わないが

必ず助けに来てくれるスーパーヒーローのようにケイトは思えるのだ



そう、まるでMJのそばでいつも見守っているピーター・パーカー、スパイダーマンのように!




そんな夢を何度も、何度も、何度も見たケイトは突然、目が覚めた!



それは海を泳いでいる夢を見ていたときのこと、


海を泳いでいるケイトに忍び寄る黒い陰り


それは見間違うことなく、巨大な……



とても大きな〈サメ〉だったのだ!




サメの姿を見ただけで全身の毛が逆立った!



心臓が止まりそうになる!



他の夢で、ここまで苦しめられる事はなかったのに!



その夢は〈彼〉が登場する前に、夢から覚めてしまった!



ガバッ!!と起き上がったケイトの眼の前には、

白衣を着た人々が一斉にこちらを見つめ、

とても、とても驚いていた光景が飛び込んできたのだった……


ストーリーメニュー

TOPTOPへ