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シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない

第5章 ケイト・アウェイキング


ザックは数時間後には意識を取り戻した


目が覚めると自分の身体に何本ものコードが繋がれていて不快だ


「なんだよ!これは!」


思わずコードを引っ張りちぎってしまった


針の痛みはあるものの、ほとんどはシリコンの挿し口だったため、簡単に抜けてくれた


仮止めのテープを外すほうが痛かった


「なんだ、ここは……??? 病院か?
 俺はなんでこんなところに……
 そういや、クレリアとフィリップは?
 おおーーい!誰か居ないのかッ!?」


ザックが室内を見回しても無人の医療カプセルが並んでいるだけの部屋だ


よく見るとガラスの向こう、隣の部屋に子どもが居てる


病院着の白い服をすっぽり被った女の子


顔には赤いアザが広がっている


“なんだ?? ここの患者か??
 なんで動物園の檻のように一人で居るんだ
 いや、見られているのは俺のほうだ!”


ザックはすべてのケーブルを引きちぎるとブーブーブーとブザーが鳴った


ザックは気にせずカプセルから脚を下ろす


立ち上がって、両手を握りしめてみる

特に問題なさそうだ

ケーブルを引きちぎったため、挿入口の跡から少量の血が流れたが本人は気にしなかった


“ブザーが鳴ったから、誰か来るだろう”


ザックはゆっくりとガラスのほうへ、ケイトのほうへ歩いていく


脚にも何本ものケーブルが絡みつき、思うように足が進まない


何度も引き抜きながら、少しづつケイトに近づいた


ガラス越しに対峙するふたり


ザックは少女の腕の入院認識票をちらっと見る


“ケイト・ワトキンス……?

 ああ、そうか、あのシャトルの生存者か

 なるほど、だからこの病院に居るんだな?

 初めて会ったときから随分経ったが、これが本当の初対面だな
 眠っているオレをずっと待っていてくれたのだろうか?”


ふたりは黙ったままだったが、何故かケイトの眼はキラキラと輝いていた


眼の前に“動くザック”が居るのだ

嬉しくて興奮していた



“ついに夢の中のザックと会えたわ!

 どれだけまちわびていたか!”



先に話しかけたのはザックリのほうからだった



「待たせたな、ケイト」


「ザック! やっと会えたわ!!」



シャトルの事故から数日後、ようやくふたりはきちんと再会したのだった



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