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シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない

第2章 25バンチの訓練コロニー


「ひでぇな、残骸だけじゃない、遺体も漂ってる、これは重大な事故だぞ?」


「ダンは周囲の残骸の配置データを記録していってくれ!俺とザックで生存者を探す
 ザック、生命維持装置のシグナルを探知してくれ、俺は宇宙服だけで投げ出されていないか目視で探索する」


「了解」

「了解」


3人の中で一番若い新兵のザックはシャトルの原型を残す前方の残骸に近付いた

シグナルはここから出ている

コックピットには航行中に記録されたブラックボックスがあるはずだ

だが残骸があたりに浮遊してモビルスーツでは近付けなかった


「ジェームス、シャトルのコックピットを見つけた!ノーマルスーツで中を確認する」


「了解、気を付けろよ!残骸に接触したらお前も帰還出来なくなるぞ」


ザックはシートの背面から小型のクロス状のスラスターを取り出す


念の為予備の酸素ボンベを携帯し、ハッチを開閉した


プシュ!とコックピット内の酸素が一瞬で抜け出した

クロス状のスラスターを背中に取り付けると、そのまま慣れたようにモビルスーツから離れていく


ザックは小さい頃から宇宙空間に慣れていた

亡き父親の廃品回収の仕事に付いてまわっていた時のことを思い出す


父はあまり頭の良い人では無かったが、廃品回収の見極めはさすがにプロだった


ザックにはただのゴミにしか見えなくとも、父にはどれがお宝でどれがゴミなのか瞬時に区別がつくのだ


連邦軍に入る直前まで父親の仕事を手伝っていたが、ザックには瞬時に見分けることは出来なかった


「あんな親父でも、凄かったんだなと今なら理解できるよ」


ザックはゴミだらけの浮遊物をかわしながらシャトルの前方部分に辿り着いた


そこでようやく生命維持装置のカプセルを発見できたのだった


残骸だらけの破壊されたシャトルからカプセルを探し出せたのは奇跡だ


ザックは「俺にも親父の血が受け継がれていたんだな」と思った…


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