シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない
第7章 海岸線
傷だらけの僚機2機を連れて、エイミーは何とか基地まで辿り着いた
生還した3人のパイロットは皆、疲弊していた
普段は烈火の如く怒りまくっている作戦参謀もこのときばかりはハンガーまで出迎え、彼らが降りてきたときは誰よりも率先して拍手でねぎらってくれた
メカニックマンたちも併せてみんなで拍手を送った
仕留められなかったが、本当に惜しいところまでいけたのだ、それは満場一致だったはずだ
ジェームスは参謀に敬礼をし、メカニックマンたちに手を振った
だが、部下を失ったマットや、最期まで仕留められなかったエイミーはがっくり肩を落とし、彼らの気持ちに応えてやる気力が無かった
3人で形式上の報告を済ませると、いったん任務を解かれた
エイミーはすぐにシャワーを浴びるが、まったく綺麗になった感じがしない
いや、むしろシャワーの熱い湯が同僚の流れた血のような気がする
そのまま胃の中のものをすべて吐き出してしまった
同じシャワールームに居た女性兵たちがあわてて駆け寄る
エイミーは疲労困憊していた
仲間たちに身体を拭かれ、エイミーは抜け殻のように全身にちからが入らない
何とか無理やり水分補給だけさせられた
エイミーは身も心も疲れ切っていた…
“ああ、 ザック先輩に逢いたいなぁ…”
エイミーの中に灯る光りはザックに包み込まれることだけだった……