シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない
第7章 海岸線
いつの間にか自室のベッドでエイミーは寝ていた
起きたときには同室の3人は不在
もしかしたら気を回してひとりにしてくれていたのかもしれない
エイミーは個人のロッカーから常温のままの健康食品ゼリーを口に含むが、当然ながらひえていないので不味かった
廊下に出てはじめて自分が肌着姿のままな事に気がついた
誰かが着せてくれたのだろう
タンクトップにゆったりしたスェットズボンだけの無防備な格好のまま、ふらふらと廊下を進んでいった
遅い時間なのか、廊下には誰にもすれ違わなかった
24時間体制の基地なのに、不思議な感じがした
作戦が終わった直後なので、皆やすんでいるのだと思うことにした
そのままエイミーはザックの居る軍の病棟のあるフロアまで辿り着く
中に入ると部屋は薄暗く、壁の間接照明だけがぼんやりと灯っていた
ベッドの上にはザックが大の字で寝ていた
イビキもかかず、スゥスゥと静かに寝息をたてている
本当は少しでも話しをしたかったが、さすがに諦めることにする
エイミーはモゾモゾとザックのベッドに上りこみ、布団の中に潜っていった
ザックの腕をどけて、脇腹に抱きつく
何度も抱きついたザックの脇腹
疲れ切ったエイミーはそのまま眠ってしまった
ただし、ひとりでベッドに寝ているときよりも何故か気持ちが安らいで眠れそうだ
それが彼の体温のせいなのか、
心臓の音なのかはわからない
エイミーは〈こっちのベッドに来て良かった〉と思い、そのまま睡魔に襲われたのだった……