シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない
第7章 海岸線
てっきりふたりっきりのデート気分だったエイミーは大層驚いた
「どうしてアンタが居るのよッ!?
ダメじゃない!病院に居なきゃあ!!」
「病院に居てももう私すること内のよね、
別に病気ってわけてもないし!
それよりふたりが何処かへ行こうとするほうが面白そうじゃない?」
ザックは呆れて、再びクルマを出した
「ケイト、帰ったら親父さんに叱ってもらうからなッ!!」
「パパは私を叱りつけることなんてしないわ
それに連れ出したのがザックとエイミーだってわかると、あなたたちの上司に文句を言いに行くと思うわ! 未成年を連れ出してどうするつもりだ、ってね」
「……なんて子なの!」
「っていうか、おれたち3人とも未成年だけどな、まぁ、ここまで来ちまったもんはしょうがねぇ!今更引き返せないからな!街からゾンビたちが群がってきても知らねぇからなッ!?」
「えッ!? 先輩、ここそういう街なのッ??」
「エイミーはバカねぇ、そんなわけないじゃない! ザックはからかっているのよ!」
見透かされたザックはつい視線を上に向けた
そうこうしているうちにビルとビルの隙間に十字架が見えた
奥の方に三角屋根の建物がある
「見つけた!」
「え? 何が???」
クルマはさらに狭い路地に入っていった
破壊された小屋の前でクルマを停める
クレリアの小屋だ
間違いない
ザックは車を降りて表側へ、教会の正面入り口の方へ向かった
両開きの扉を開けると、長椅子がずらりと並んでいる
ズカズカと歩いて行くとふたりの人影が奥の部屋に見えた
「フィル!!!」
「ざ、ザック!!!???」
「シモンズ、アンタも居たのか!クレリアは?」
「いや、ザックのわけないよ!彼は宇宙に吸い込まれていった!彼は死んだんだよ!
悪魔め! 死者の身体に取り憑いたな!!」
フィリップは十字架を突き出して身構えた
「フィル、血を吸いに来たんじゃねぇんだ
俺は生きてるよ、よかったな、無事だったんだな? クレリアも無事かい?」
ザックは笑顔で問いかけるが、フィリップとシモンズの顔は沈んでいた
「クレリアは奴らに捕まってしまったんだ!!」